ポッジョ・アローロ サンジミニャーノのオーガニック農場・ワイナリー

ポッジョ・アローロ サンジミニャーノのオーガニック農場・ワイナリー

トスカーナでも大人気の塔の町「サンジミニャーノ」。今回は、その中心街から5kmほどの位置にあるオーガニックのワイナリー「ポッジョ・アローロ」をご紹介します。サンジミニャーノの町のシルエットとトスカーナの景色、オーガニックのワインとファームで採れた新鮮な食材を使ったランチを満喫できるとあって、人気のロケーションとなっています。

マルケ州から辿り着いた農家のファミリー

マルケ州から辿り着いた農家のファミリー

1950年代、代々農業を続けてきたフィオローニ家のウンベルト、アミーコ、ベルナルドの3兄弟は、マルケ州の農家の労働環境の悪化から土地を離れることになり、トスカーナ州サンジミニャーノ、ポッジョ・アローロの丘に辿り着きました。農業のエキスパートであった彼らは、雇われ農作人として働き続け、1972年にポッジョ・アローロのファームを買い取って所有者となります。家屋や施設をリフォームするなどの設備投資と同時に、たくさんの種類の苗を植えました。ブドウ畑、オリーヴの木、小麦や野菜、そのほか中世の頃は盛んに栽培されていたというサフラン、土地にある木々も植え替え森を再生させました。家畜としてはトスカーナのブランド牛であるキアニーナや、豚、鶏、ウサギなども飼われます。手作りのサラミや生ハムは、ファームのゲストの食事にのみ“厚切り”でふるまわれています。

イタリア初の原産地呼称ワイン「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」

イタリア初の原産地呼称ワイン「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」

このポッジョ・アローロでは、地元の銘柄ワイン「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」を生産しています。ヴェルナッチャという白ブドウから作られる白ワインです。この銘柄は歴史的にも長く語り継がれたワインとして有名で、ブドウ自体がこの地方に伝わったのは13世紀ごろと言われています。また、多くの詩人や貴族に支持されたワインで16世紀にはローマ法王パオロ3世に仕えたテイスターがヴェルナッチャのワインを発注したという史実も。

イタリアでは1963年に、初めて全国で統一されたワインの法律「原産地統制呼称制度DOC」が国により制定されましたが、ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノの銘柄はその記念すべき第一号のワイン(1966年DOC登録)となりました。ワイナリー・ポッジョ・アローロは、90年代初頭からすでに30年近くオーガニックを実践し、伝統と自然に寄り添うファームとしてあり続けています。

そして新しい世代へ

そして新しい世代へ

大きくなったファームですが、今もなおファミリーによる経営が続けられています。3兄弟の息子たちと孫たちです。先頭で旗を振るのは、ウンベルトの息子兄弟のジャンカルロとレンツォ。孫のマルコは、醸造を勉強しています。またアミーコの娘であるサラは信じられないほどの働き者で、アグリトゥリズモの運営のほか、ゲストに料理教室を行ったり、ワインのマーケティングで海外出張したりするなど、大忙しです。

トスカーナの自然と愛嬌のあるファームのスタッフたちに出会え、リラックスしたトスカーナの休日を保証してくれるポッジョ・アローロ。一度皆さんも、ぜひ足を延ばしてみてはいかがでしょうか?

ファットリア ポッジョ・アローロ(Fattoria Poggio Alloro)
住所 Via S.Andrea,23 ,53037 San Gimignano(SIENA)
TEL0577 950 153
営業時間夏季8:00~20:00、冬期9:00~19:00
休日 12/24〜26

鈴木 暢彦

トスカーナ州シエナ在住。2009年渡伊。シエナの国立ワイン文化機関『エノテカ・イタリアーナ』のワインバー・ワインショップにて5年間ソムリエとして勤務。2015年~2018年までシエナ中心街にてイタリア人と共同でワインショップを経営。現地ワイナリーツアーも企画し、一般からプロの方までのアテンドで100軒以上のワイナリーへ訪問。また、日本へのイタリアワイン輸出のサポート業務も行い、イタリアワインの日本マーケットの構築に貢献している。イタリアの著名醸造家ヴィットーリオ・フィオーレ氏、パオロ・カチョルニャ氏が手がけるワインも日本へ紹介。資格・・・AISソムリエプロフェッショニスタ。

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