詩人たちに愛された美しき港町「ポルトヴェーネレ」

詩人たちに愛された美しき港町「ポルトヴェーネレ」

イタリア西部、リグーリア海岸にある海辺の小さな町・ポルトヴェーネレ。イタリア語 で「女神の港」という意味の名を持ち、その景観の美しさで多くの詩人に愛されたことから、「詩人達の入江」の愛称もある、小さな港町です。近隣の町・チンクエテッレとともに、世界遺産に登録されている、まさに詩の一編のように美しい、この港町をご紹介します。

チンクエテッレ国立公園の魅力、青い海とパステルカラーの家々がかわいい小さな町

チンクエテッレ国立公園の魅力、青い海とパステルカラーの家々がかわいい小さな町

日本でも人気となりつつある、世界遺産の「チンクエテッレ国立公園」。その魅力といえば、青く美しい海と、断崖に張り付くように建てられたパステルカラーの家々が並ぶ小さな町。国立公園の一部であるポルトヴェーネレでも同じように、斜面に立つ色とりどりの家々が青い海の水面に映る、美しい風景を見られます。光に満ちた彩り豊かなその景色は、見る人の心も明るく晴らしてくれるような絶景です。 町には、小さいながらもレストランやショップが並び、ぶらりと町歩きも楽しめます。町を抜けると海が見えてくるのですが、町の小道の先に突如開ける海の美しさは、感動ものです。陽の光をキラキラ反射する紺碧の海、打ち寄せる波が岸壁に砕け光りながらしぶきをあげるさま、 絶え間なく歌う潮騒、吹き抜ける風の心地よさ……。それは映像だけでは伝わらない、訪れた人だけが味わえる感動です。

岬の教会や丘の要塞、そして詩人たちを魅了した海の美しさ

岬の教会や丘の要塞、そして詩人たちを魅了した海の美しさ

世界遺産・チンクエテッレは、“5つの土地”という意味をもちます。ポルトヴェーネレはその5つの町に含まれないため、なんとなく注目から外れてしまっている感じが否めませんが、他の5つの町には見られない独特の美しさを持っています。その景観を特徴的にしているのが、岬の先端に立つ中世の教会と丘の上の要塞です。 地の利を活かして作られた丘の上の要塞は、長きに渡り港を守り続けてきた町の要。高台にあるそこからの眺めは絶景です。 それから、海へと迫り出した岬の先端にあるサン・ピエトロ教会。小さいながらも重厚な石造りの教会は、13世紀に造られました。まるで海の中に立つような教会の中は、周囲をとりまくさざめく潮騒とは裏腹に、ひんやりと静寂が包む厳かな雰囲気です。そしてその岬から見返る町の美しいこと! とくにそこから望める切り立った崖に打ち寄せる紺碧の海とそのきらめきこそが、詩人たちの心を撃ち抜いた、詩人たちの入江といわれています。

実はそんなに遠くないポルトヴェーネレ

実はそんなに遠くないポルトヴェーネレ

ポルトヴェーネレが知る人ぞ知る町となっている理由がもう一つあります。それは、国鉄で行けるほかの5つの町と違って、こちらはラ・スペッツィア駅からバスに乗り換えていかなければならないという、ひと手間があります。しかし、行きかたはそう難しくはありません。バスは、駅前のFiume通りから乗ることができます。バスのナンバーは「P」または「11」。30分ほどで着きます。 ポルトヴェーネレ行きなので、終点まで乗っていれば大丈夫。春夏の夏季時刻なら1時間に1本出ていますので、バスの時刻を確認して出かけましょう。 また夏季はラ・スペッツィア、ポルトヴェーネレ、チンクエテッレを結ぶフェリーもあります。海から上陸するというのも楽しいですよね。こちらもフェリーの時刻表をチェックするのをお忘れなく。基点となる国鉄ラ・スペッツィア駅はミラノからインターシティを使って1時間半、フィレンツェからは普通電車で2時間半。どちらからも日帰りで行くこともできます。

チンクエ・テッレ国立公園(Parco Nazionale delle Cinque Terre)
住所 Via Telemaco Signorini, 118, Riomaggiore, Spezia (SP)
サン・ピエトロ教会(La Chiesa di San Pietro)
住所 Lungo Calata Doria, 19025 Portovenere, Spezia (SP)

藤原 亮子

イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、'09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、取材・撮影・執筆活動をしつつ、イタリアの伸びやかな景色をテーマに写真作品も制作中。

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