トラーパニの夏の風物詩、塩の収穫!

トラーパニの夏の風物詩、塩の収穫!

真夏の太陽がギラギラと輝く、シチリアの7月中旬。トラーパニ~マルサラにかけてのシチリア西側の海沿いに広がる塩田では、塩の収穫を見ることができます。シチリア西海岸で作られる塩は、海水、太陽、風と自然の恵みだけで作られた、天然の海塩。そしてその風景は、なんとも壮大です!

収穫前の塩田は真っ赤っか!

収穫前の塩田は真っ赤っか!

収穫直前に塩田を訪れると、そこには驚くべき風景が広がっています。天然海塩と聞くと白い塩田を想像しますが、実際には真っ赤! 塩田が広がる地帯はプランクトンがたくさん住んでおり非常に栄養価が高いと言われていて、鯛やスズキの養殖も行われています。そして塩田では、海水が蒸発して凝縮することで海水中に住む赤いプランクトンの濃度が高まり、その色が濃くなり、塩田も真っ赤に染まるというわけです。実際、収穫されたばかりの塩は、そこはかとなくピンク色。それは、このプランクトンが塩に対する耐性がとても強く、濃い濃度の塩水でも生きていけるから。しかし、さすがに塩が収穫されて水分がなくなると生きていけなくなるのので、しばらくすると真っ白でキラキラと輝く塩となるのです。

塩の収穫はスコップで

塩の収穫はスコップで

さて、5ヵ月かけて太陽と風の力で少しずつ乾かされていった海水。7月中旬になると、いよいよ収穫が始まります。収穫前日、まずは棒の先にヘラのようなものが付いた道具で、下に層になって固まっている塩のクリスタルを砕きます。そして翌日、砕かれたクリスタルをスコップですくい、まずは小さな山をたくさん作っていきます。これは、水分をできるだけ抜くため。収穫時の塩田は全ての水分が乾いているわけではなく、水がうっすらと残っています。小さな山にして半日~1日放置することで、水分が自然と抜けていくのです。その後は、小さな山一つ分を手押し車にスコップで入れ、大きなベルトコンベアーが付いた機械の元まで運びます。このベルトコンベアーは斜め上に伸びていて、一番上まで行くとそこから塩が吹き出され、大きな山を作ります。こうして収穫された塩は、大きな山のまましばらく放置され、水分が抜けていくのを待つのです。

大きなクリスタルは自然の贈りもの

大きなクリスタルは自然の贈りもの

皆さんが知っている塩は小粒でサラサラした塩かと思いますが、トラーパニからマルサラにかけての塩田で作られているのは塩の結晶、そう、クリスタル。塩田では、驚くほど大きな塩の結晶ができあがります。毎年知人の塩田に行くと、「ほら見てごらん!」と収穫してくれるのは、両手で持ってもずっしりと重いほどの巨大クリスタル! ギラギラとした太陽を反射して輝く塩のクリスタルは本当に美しく、自然の贈りものだな~、と実感するのでした。

公共の交通機関がなく、車がないと行きにくい場所にある塩田。ツアーに参加すれば、専用車にて移動できおすすめです。夏にシチリア西部に来るなら、絶対に見ていただきたい、夏の風物詩です!

佐藤 礼子

2005年よりイタリアの南の島、シチリア島在住。力強い大地の恵みと美しい大自然に魅せられ、シチリアに残ることを心に決める。シチリア食文化を研究しつつ、シチリア美食の旅をコーディネートする「ラ ターボラ シチリアーナ」を主宰、トラーパニで活動中。年に数回日本でも料理教室を開催。趣味は畑とオリーブオイル造り。

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