これぞkm0!できたての手作りモッツァレッラチーズのお味は?その【2】

これぞkm0!できたての手作りモッツァレッラチーズのお味は?その【2】

モッツァレッラチーズは南イタリアではまさに日本人にとってのお豆腐の様な日常食。地元チステルニーノ では数件あるチーズ工房から作りたてをその日に食べる分だけ買うのが一般的。私も子供の頃、よく近所のお豆腐屋さんに容器を持って買いに行っていた事を思い出します。でもお豆腐にしてもモッツァレッラにしても家庭で作るものとは考えてもみませんでした。

NO HOMEMADE FOOD, NO LIFE 、手作り食品なしには生きていけない 

NO HOMEMADE FOOD, NO LIFE 、手作り食品なしには生きていけない 

プーリアで生活を始めてジョヴァンナさんの様な(イタリア好きVol.24 P.17)チーズを始めパスタや保存食など色々な食品を手作りする技術と経験を持つ人々に出会って、食べることと生きることの距離の近さを実感する様になりました。よく食育運動や地産地消運動などで用いられる”You are what you eat”や”身土不二”という言葉を正に体現しているのです。モッツァレッラづくりを教えて貰う事でそんな食生活がプーリアには近くにあることがよく分かります。インターネットを検索すると日本の家庭でもわりと簡単にできそうなモッツァレッラの作り方が何件も出てきますが、それとは材料も作り方も全くと言ってよいほど違います。

モッツァレッラづくりは「一期一会」、FEEL, DON’T THINK 考えるな、感じろ!

モッツァレッラづくりは「一期一会」、FEEL, DON’T THINK 考えるな、感じろ!

モッツァレッラ作りは実にデリケート。固まった牛乳をゆっくりと優しくヘラで切るように崩すところと発酵したタンパク質の塊を乳清と分けるところでは、息を整えて気持ちを落ち着かせ神経を手と腕に集中させて、乳酸菌によって変化して行く「牛乳を感じる」ことが必要です。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、一挙一動が修正不可能でそこが上手くいかなければあのモチモチした食感と瑞々しさは生まれてきません。ですから一度では上手く行かないのがむしろ当たり前とも言えます。気温や湿度によって生乳自体の成分や乳酸菌の働きも変わってきます。それに加えて作る人の体調や気分だって影響してくるでしょう。

繰り返し、途切れる事なく、続いていく、サイクルの中で。

繰り返し、途切れる事なく、続いていく、サイクルの中で。

モッツァレッラができた後に残る乳清の乳酸菌は次に作るときに必要になります。今では毎日作らない場合は冷凍して保存しますが、その昔ヴァッレ・ディートリアの農家ではどこでも牛を飼っていたようなので、毎日新鮮な生乳に事欠くことはなく、乳酸菌も途切れることなくモッツァレッラが作られていたのでしょう。モッツァレッラと作り方がよく似たスカモルツァやカチョカヴァッロなどは南イタリアの代表的なチーズですが、出来上がりの味や特色はそれぞれ随分違います。熟成を待たずに出来上がるフレッシュチーズのおいしさには新鮮さが重要で、新鮮な食材の豊富さがプーリアの食文化全般の特徴とも言えます。日本でも人気の高いこれらのチーズですが、一度じっくり現地で、昔ながらの材料や作り方で習ってみると、食べる時の味わいもきっと随分と変わってくるに違いありません。

大橋 美奈子

プーリア中央部に位置するヴァッレディートリアはのどかな白い田舎町に囲まれトゥルッリの点在するおとぎの国のような田園地域。都会育ちの根無し草だった私がこの地に魂を掴まれて気がつけば20年。プーリアと日本の架け橋となるべく(有)ダプーリア設立し、スローライフを実践中。プーリアの魅力を発見するお手伝いが出来ればこれほど嬉しい事はありません。

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