山のパルミジャーノ・レッジャーノの存在をごそんじですか?

山のパルミジャーノ・レッジャーノの存在をごそんじですか?

パルミジャーノ・レッジャーノは、生産地域が指定された原産地保護保証(DOP)商品です。世界がグローバル化して、生産者間でも品質の良さを売り出して行くようになり、パルミジャーノ・レッジャーノも差別化が進んでいます。パルマでは、街のサルメリアでもスーパーでも山のパルミジャーノ、赤牛のパルミジャーノ、ブルーナ種の牛の乳のみを使ったパルミジャーノと分けて売られるようになってきています。今回はその中でも山のパルミジャーノ・レッジャーノと見本市をご紹介します。

山のパルミジャーノと名乗るには?

山のパルミジャーノと名乗るには?

では普通のパルミジャーノと何が違うのでしょう。
パルミジャーノ・レッジャーノ協会は2013年からパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズを作る生産者の中でも、以下の条件をみたしたものを山のパルミジャーノ・レッジャーノとして販売しています。

・ 山岳地方(パルマ、レッジョエミリア、モデナ、ボローニャの山岳部)で絞られた牛の乳で作られる
・ 牛の餌の60%はその山岳地方で収穫されたもの
・ 生産と、12ヶ月の保管は、山岳地方でされたもの
・ 24ヶ月熟成の時点で、協会の検査員が槌で叩いて検査する
・ 協会のテイスターグループのテイスティングと化学的分析検査に合格したもののみ

パッケージに上の写真のロゴがつけられます。普通のパルミジャーノ・レッジャーノは12ヶ月以上で販売されますが、山のパルミジャーノは最低24ヶ月の熟成期間が必要です。山のチーズの特徴として、脂肪分が高く、香りの高いものが多いように思います。

3日間で2000kgが売れる年に1度の見本市

3日間で2000kgが売れる年に1度の見本市

山のパルミジャーノ・レッジャーノの生産者は、約110社。そこに存在する牛舎は1200以上あります。その山のパルミジャーノ・レッジャーノを集めた見本市が8月2~4日に行われ、今回は33の生産者が参加しました。会場はレッジョエミリア県の山中にあるカジーナ。暑い平野から、山を登ると、冷んやりするほど涼しく、避暑地としても知られています。
見本市で参加生産者の山のチーズの食べ比べをしてみると、同じ山のパルミジャーノでも、生産者の哲学、熟成期間、牛の種類によって、風味が異なります。夏に作られたチーズは草の香りがふわっと漂い、冬に作られたものは干し草の香りがしたりと時期によって風味が異なります。また熟成が長くなると香りに複雑さが増して、ミルキーな中にも適度にパッションフルーツや、ヌメシ革のような香りが楽しめたりと食べ比べてみるとその違いが分かり楽しいものです。そして気に入ったものは購入することができます。この期間中に販売されたパルミジャーノ・レッジャーノは、あの大きな太鼓型50個、約2000kgと言いますから、すごい量ですね。

カザーロが腕を競う圧倒的パフォーマンスTAGLIO FORMA (カッティング・イベント)

カザーロが腕を競う圧倒的パフォーマンスTAGLIO FORMA (カッティング・イベント)

最終日の夜には、チーズ作り責任者(カザーロと呼ばれる)が、一つ40kgのチーズをパルミジャーノ・レッジャーノチーズ用のナイフのみを使って1kgの大きさまで切り分け、どれだけ正確に切ることができるかを競うカッティング・イベントが行われました。10人のカザーロの中には、若い女性のカザーロも含まれ、みな手際よく真ん中から半分に切り、それをまた切り分けて行きます。
最も1kgに近く切り分けることができたのは、アレックス・フェリーチさん。なんと1.02kg! 2gの誤差という素晴らしい結果でした。長年の経験によるものですね。
山岳部のカザーロは1日に2回早朝と夕方に、チーズの原料となる牛乳をくねくね続く山道を牛舎からチーズ工房までトラックで取りに行かねばなりません。しかも前日の乳清を使って作りますから、365日1日も休むことはできないのです。情熱を持って仕事をされているカザーロのこういう姿を見るのも頼もしいです。そして10人のカザーロが揃ってチーズをかち割るのを見るなんてそうそうあることではありません。圧倒されるパフォーマンスは必見ですよ。

最後は、参加した33社のチーズをパルミジャーノ・レッジャーノ協会のテイスティンググループ10人がテイスティングし、最高品質のものに賞が与えられました。今年の受賞者は、Latteria del Fornacione(ラッテリア・デル・フォルナチョーネ)。レッジョエミーリア山岳部の生産者でした。 見本市最終日には花火大会もあり、興味深く楽しい山での小バカンスを過ごせました。山のパルミジャーノ・レッジャーノを味わってみられたい方は、毎年開催されているこのイベントへぜひ足を運ばれてみてください。
山のパルミジャーノ・レッジャーノ見本市(パニフィーチョ・チファレッリ)
開催時期毎年1回7月末から8月初旬
開催場所2020年開催地は未定。パルマ、レッジョ・エミリア、モデナの山岳部のどこかにて開催

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西村 明美

初めて食べたプロシュット・ディ・パルマとパルミジャーノ・レッジャーノチーズに魅される。2003年には好きだったワインを勉強し、AISイタリアソムリエ協会のソムリエの資格を取る。その後、サルメリア研修をし、パルマの食を勉強。各種コーディネート、通訳、翻訳など活動中。

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