2年越しの想い ピスタチオ

2年越しの想い ピスタチオ

暑い8月が終わり、シチリアにも収穫の時期がやってきました。ブドウ、アーモンド、オリーヴ……そしてピスタチオ。今年2019年の奇数年はエトナ山麓の村ブロンテのピスタチオ収穫の年なのです。「緑の真珠」「緑の金」「エメラルド」と呼ばれ、鮮やかな緑の実がもつ甘さとコクは数あるピスタチオのなかでも群を抜くおいしさと香りで、良質なブロンテ産は、活火山であるエトナ山の火山灰を含む溶岩の土壌と昼夜の寒暖差が大きいこの地域特有の気候が、濃厚なピスタチオの味わいを生みだしています。そのまま生で食べるのが、シチリア流。もちろんおいしく、美しいの翠玉色のピスタチオはお菓子にもお料理にも映えます!

長い間、待たせてごめん。

長い間、待たせてごめん。

ブロンテ村でのピスタチオの収穫は2年に一度。偶数年は、実がなる前に剪定をして枝を落としてしまいます。2年待って出来る実は、良質なピスタチオとなり世に出てくるのです。
伝統的な手作業の摘み取りは何世紀もこの地で続けられてきた収穫風景で、果肉を落とし、種子を2週間程天日干し。収穫しても未だ待たせるナッツの女王。この際とことん待ってあげましょう。とさえ思えてきます。実は、この天日干しの作業が重要で、常にピスタチオへ均等に陽が当たるように整え転がします。
陽に当たり、干す事で甘みが増し、濃厚な味わいとなります。ピスタチオも他のナッツ同様ビタミン、ミネラルなどの栄養価が高く、高血圧の予防、便秘解消、疲労回復、さらには目にも良いそうです。効果を得るには1食分約45粒だとか。1食どころか、1日でも45粒を食べれるとは思えませんが、ピスタチオのジェラートを何度食べても大丈夫と言う、お許しと解釈しましょう。

王道ジェラート。シチリアドルチェには欠かせないピスタチオ

王道ジェラート。シチリアドルチェには欠かせないピスタチオ

お酒のおつまみのイメージが強いピスタチオですが、シチリアでは生食が主流です。ローストされていない生のピスタチオをそのまま食べたり、お菓子、お料理に使います。朝市やスーパーマーケットでは、殻付生ピスタチオ、殻なし生ピスタチオ、ローストピスタチオ、ピスタチオの粉、甘皮なしのピスタチオ、ピスタチオの甘いクリーム、ピスタチオのペーストなどなど種類も豊富で、用途によって使い分けます。
先ず食べたいのは、ピスタチオの甘いクリームがベースのジェラート! お店によって濃度も味も異なるので、食べ比べも楽しみです。そしてカンノーロ。クラシックなリコッタクリームにたっぷりのピスタチオ。今はピスタチオクリームたっぷりのカンノーロも! さらにはケーキ、クッキー、コルネット。ヌガーにパスタディマンドラ。グラニータに、ピスタチオクリーム入りのエスプレッソコーヒーも!! 特にブロンテ近郊のお菓子屋さんやバールでは、ピスタチオ三昧のショーウィンドウに思わず小躍りしてしまいます。

お料理にもピスタチオ

お料理にもピスタチオ

さすがナッツの女王ピスタチオ。甘い物が苦手な人でも堪能させてくれます。魚介や肉類と合わせるパスタやメインのソース。リゾットやアランチーノ。肉や魚、素材によって引き立て役になり、変化するおいしさと美しさは食べる人にも作り手にも楽しい食材です。
毎年9月の最終日曜日に催されるブロンテのピスタチオ祭りには、ピスタチオ入りの生サルシッチャ。ピスタチオサラミやチーズ、焼き立てのピスタチオ入りのパン、サルシッチャ入りパニーニのピスタチオソース、さらにはピスタチオのビールまで!! エトナ山麓の田舎の村が緑にピカピカと光る瞬間です。

BAR CONTI GALLENTI(メルカート ディ オルティージ)
住所VIA UMBERTO 275,BRONTE
営業時間月曜〜日曜 6:00〜22:00
電話+39 095 691165
SAGRA DI PISTACCHIO BRONTE
住所BRONTE
開催時期9月最終週末
HPhttp://www.comune.bronte.ct.it/La_Citta/Expo_Pistacchio_2019.aspx

秋草 奈緒子

シチリア州東部 シラクーサ在住。 旧市街オルティージャ島にて、シチリア料理と和食のレストランla cambusa (カンブーザ)を経営。 笑いの絶えないシチリアでの生活。旅行。食事。 シチリアのシンボル、3本足のトリナクニアがあなたを待っています! (写真:パプリカと私 in シチリア)

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