丘の上の歴史豊かなまちキエティ

丘の上の歴史豊かなまちキエティ
キエティの旧市街| Dreamstime.com
アブルッツォ州の南部、モリーゼ州に隣接したキエティ県の県庁所在地でもあるキエティは人口約5万人都市。標高約330mの丘の上に立ち、主に役所などの公共施設が集まっている旧市街(キエティ・アルタ)と、丘の裾野に位置し、ローマなど各方面への交通網が整い商工業施設が増えてきている新市街(キエティ・スカーロ)の2拠点を持つキエティ県で最も大きな町です。
キエティっ子の誇り、歴史ある旧市街。日本との縁も

キエティっ子の誇り、歴史ある旧市街。日本との縁も

国立考古学博物館
キエティの人たちの自慢と言えば、この町がローマ時代よりも古い歴史を持つということ。誕生は紀元前1181年だという説が有力で、当時テアテと呼ばれたこの地域はマッルチーノ人の主要都市として栄え、その後ローマ帝国の同盟都市として発展を続けます。町には紀元1世紀頃のローマ時代のものとされる寺院や貯水施設、テルメなどの遺跡が残り、往時の面影を今に伝えます。今でもキエティの人や地域のことを“テアティーノ”と呼ぶのはこの歴史に由来します。旧市街には国立と市立、2つの考古学博物館があり多くの遺跡とともに長い歴史を紐解くことができます。また、16世紀に来日し、その後天正遣欧少年使節派遣を企画・実施した宣教師ヴァリニャーノもキエティの生まれであることから、2016年には南島原市との姉妹都市提携も実現しています。
歩いて楽しい旧市街

歩いて楽しい旧市街

サン・ジュスティーノ © Adamico| Dreamstime.com
旧市街を歩くには、各地からのバスが集まる町のシンボル、サン・ジュスティーノ聖堂からスタートするのがいいでしょう。聖堂前の細い路地を抜けると噴水がある広場に当たり、正面には1818年に完成したマッルチーノ劇場があります。
マッルチーニ通り© Adamico| Dreamstime.com
その右手に伸びるのが最も人が賑わうマッルチーノ通りです。両サイドには中世からの建物が並び、地元の人達に混ざってウィンドウショッピングをしたりカフェやバールで一息ついたりなど、そぞろ歩きを楽しめます。さらに進むと市民の憩いの場として親しまれている博物館や公園が整備された緑豊かなエリアへと続きます。大通りを1本中に入り迷路のような路地が続く生活エリアに迷い込んでみるのもおすすめですよ。また丘の上に立つ旧市街は、見晴らしのよい場所も多く、ベンチに腰掛けて目下に広がるパノラマを堪能できるなど中世の町並みを存分に楽しんでいただけます。
伝統行事でタイムスリップ

伝統行事でタイムスリップ

聖金曜日の行列
タイミングが合えば是非訪れたい伝統行事が復活祭の前の金曜日に行われる「 Processione di Veneridi Santo(聖金曜の行列)」です。行列はサン・ジュスティーノ聖堂から出発し、息絶えたキリストと共に悲嘆に暮れたマリアや聖職者たちがゆっくりと旧市街を練り歩きます。町の電気は全て消され、ガス燈だけが灯る静寂の中、祈りの言葉とバイオリンの音色、そして聖歌隊の歌声だけが響き、町中が厳かな雰囲気に包まれます。また、クリスマスの時期にはプレセ−ペ(キリスト誕生の瞬間を再現したジオラマ)を実際に町の人達が演じる「Presepe vivente」が催され、旧市街一体が2,000年前の世界にタイムスリップします。他にも6月の「聖体の祝日」には町が花でいっぱいになる「Infiorata」など、日本では馴染みの薄い様々な宗教行事が大切に続けられています。
キエティへのアクセス
旧市街へペスカーラ中央駅前ターミナルからバスで約40分
新市街へ・ペスカーラ中央駅から電車で約15分
・ローマ市内又はフィウミチーノ空港からバスで約2時間〜3時間
※新市街(キエティ・スカーロ)から旧市街へはバスで約20分
アブルッツォ国立考古学博物館(Museo archeologico nazionale d'Abruzzo)
住所Via Giudo Costanzi, 3 Chieti 66100(CH)
開館時間8:30〜19:00(月曜定休)
電話+39 0871 404392
入場料4ユーロ
市立考古学博物館(Museo Archeologico La Civitella)
住所Via Generale PianellSnc, Chieti 66100(CH)
開館時間8:30〜19:00(月曜定休)
電話+39 0871 63137
入場料4ユーロ

保坂 優子

都市計画コンサルタント。アブルッツォ州での留学経験を経て、2002年から大阪とアブルッツォを行き来する生活を続けている。2009年のラクイラ地震を機に州の紹介サイトを立ち上げる。2016年4月からフリーペーパー「アブルッツォ通信」共同発行者。アブルッツォに関する講演やイベントの企画、コラムの寄稿などにも携わる。

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