明治時代にパレルモに嫁いだ日本人~ノルマン王宮で「ラグーザお玉展」開催中!

明治時代にパレルモに嫁いだ日本人~ノルマン王宮で「ラグーザお玉展」開催中!

「ラグーザお玉」は、パレルモ人芸術家ヴィンチェンツォ・ラグーザの妻として、そして自身も画家として明治時代のパレルモを舞台に活躍した女性。パレルモの世界遺産ノルマン王宮にて、「O’Tama. Migrazione di stili (お玉、スタイルの移行)」と題した展覧会が開催中! ラグーザお玉の作品および明治時代の工芸品が美しい“王の居室階”に並びます。

ところで、ラグーザお玉ってどんな人?

ところで、ラグーザお玉ってどんな人?

美しい展示スタイルが見どころのポンペイの間

「ラグーザお玉」は、1867年東京生まれの明治の女性。日本に西洋芸術を伝える目的で明治政府に招聘されたイタリア人芸術家のひとりラグーザと芝公園で出会い、絵の師匠となったラグーザに芸術的才能を見出されました。ラグーザが日本滞在中に収集した日本の骨董品の作品録を製作するなど交流を深め、そして結婚。1882年に夫の故郷であるパレルモに渡ります。

1933年に帰国を果たすまでの約51年間、日本にはない西洋の絵画技術を学び海外展覧会で入賞するほどの画家として成長するほか、夫と共にパレルモ工芸学校を設立。日本工芸を伝承する事業にも従事してきました。同学校は、現在「ヴィンチェンツォ・ラグーザ・オタマ・キヨハラ国立美術学院」として存続しています。
お玉作品とラグーザの日本工芸コレクション

お玉作品とラグーザの日本工芸コレクション

マリア・アントニエッタ・スパダーロ教授

今回の展覧会では、ラグーザが1882年に持ち帰った膨大な日本工芸骨董品コレクションを保管するローマのルイジ・ピゴーネ博物館ともコラボレート。ラグーザの骨董コレクションの一部が、芝公園時代にお玉製作の作品録と共に初出展されています。

展覧会の企画は、美術史家でお玉研究の第一人者であるマリア・アントニエッタ・スパダーロ教授。お玉が東洋から西洋へ渡り、異なる二つの世界の中で芸術的感性を改革していく様を、同教授による2017年開催の回顧展『お玉とヴィンチェンツォ・ラグーザ、東京とパレルモを結ぶ橋』で未発表だった水彩画や工芸品など、80点以上もの展示品と共に紹介します。

ノルマン王宮パラティーナ礼拝堂の上階にあたる“王の居室階”に並ぶ“副王の間“や”“ポンペイの間”などを会場にした、その美しい展示スタイルも見どころ。
オープニングイベントでは日本酒も!

オープニングイベントでは日本酒も!

2019年12月7日の公式開始日前日に行われたオープニングイベントには、大勢の招待客が訪れ、パレルモでのラグーザお玉の認知度の高さを再認識することとなりました。お玉がパレルモを発ってから、まだ100年余り。パレルモに暮らしていると「お玉が洗礼を受けた時のゴッドマザーは僕のおばあちゃん」や「ラグーザ夫婦と親友のマリオ・オリヴェリは私のおじいちゃん」などという人にも遭遇します。

バンケットでは、日本酒や寿司風のフィンガーフードやチョコレートを挟んだどら焼きなど、ちょっと惜しい(笑)ながらも日本をイメージさせる料理も。パレルモで愛されている「ラグーザお玉」。王宮観光にプラスしてその足跡に触れられる、またとないチャンス。期間中にパレルモを訪れる予定なら、ぜひお見逃しなく!
ノルマン王宮
住所Piazza dell’Indipendenza(入り口は、Piazza del Parlamento)
会期2019年12月7日〜2020年4月6日の金〜月曜
開館時間金・土・月 8:15〜17:40/日・祝 〜13:00
料金:展覧会のみ展覧会のみ 7ユーロ/パラティーナ礼拝堂セット 12ユーロ
HPフェデリコ・セコンド財団

岩田デノーラ砂和子

慶應義塾大学卒業。(株)リクルート退社後2001年よりイタリア在住。ローマを経て、2010年からシチリア州都パレルモ在。女性誌・旅行誌のイタリア特集企画編集及びTV・WEB等日本メディアのコーディネートほか、イタリア関連書籍多数。イタリアのプロで作るチームLa Vacanza Italiana主催、国際ジャーナリスト協会会員・イタリア商工会議所認定通訳。

シチリアの関連コラム

関連する旅プラン