カラブリア州を代表するサラミ・ンドゥイヤ(’nduja)を作る工房

カラブリア州を代表するサラミ・ンドゥイヤ(’nduja)を作る工房

豚肉加工品DOPが4つもあるカラブリア州では「村ごとに味が変わる」と言われるほど、サラミのバリエーションが豊富。そんなカラブリア州産サラミの中で、国際的に有名なサラミが「ンドゥイヤ(’nduja)」です。州中西部、スピーリンガ村とその周辺が特産である、ンドゥイヤ工房の様子をお届けします。

そもそも、ンドゥイヤ(’nduja)って?

そもそも、ンドゥイヤ(’nduja)って?

ンドゥイヤは、カラブリア州中西部のスピーリンガ村とその周辺が特産のサラミ。気候条件の関係で、温度・湿度が調節できる熟成機ができるまで、この地域でしか作る事ができなかった、幻のサラミです。
同じカラブリア州内でも州中西部以外の場所では、「ンドゥイヤという名前すら最近聞いた」と言う人が多いぐらい、地域性のある食べ物。実際、私の住む州北部コセンツァ市では、スーパーなどで購入できるようになったのは、つい最近です。
通常のサラミ作りに大切な赤身肉はできるだけ使わず、豚肉の脂肪分を多く使うのが大きな特徴。こちらも特産である乾燥パプリカの甘口と辛口をブレンドして一緒に挽くことで、パプリカのうま味・辛味が豚の脂肪と混ざりあい、熟成させることでうま味たっぷりのサラミになります。脂質が多いので熟成完了後も柔らかく、「塗れるサラミ」としても有名。アポストロフィから始まるイタリア語らしからぬ名前の由来は、語源となった仏産サラミによる方言から変化した、など諸説あります。

今でも手作業で行われるサラミ作り

今でも手作業で行われるサラミ作り

地元で「おいしい」と言われるンドゥイヤを生産する工房では、自家製の豚からこだわって生育させ、可能な限り手作業の行程を残したサラミ作りをしています。さらに、もう一つの欠かせない材料であるパプリカも、自家製が普通。晩秋に訪問すると、乾燥作業を終えたパプリカの保存作業なども見学することができます。一つひとつ腸詰作業をし、完成したサラミはまず燻製室へ。スピーリンガ村とその周辺は、サラミ作りが行われる冬場も比較的温暖な地域なので、まず燻製をかけ、ある程度乾燥させ、腐敗を防ぎます。この燻製も基本的に職人さんの仕事。その日の天気、風向き、温度などを見て、くべる木の量、換気の仕方を調節します。燻製が終わったら熟成庫へ。ここで大きさに合わせた熟成期間を経て、ンドゥイヤができあがります。

工房見学はお楽しみの全製品試食付き

工房見学はお楽しみの全製品試食付き

ツアーでご案内しているサラミ工房見学。見学の最後は、お楽しみの全製品試食です。工房責任者がその場でスライスした、切りたてのサラミ全種類が試食できます。この工房自慢のンドゥイヤは、地元のパンに乗せての試食がおすすめ。サルシッチャ各種、カピコッロ(カポコッロ)、ソップレサータ、パンチェッタなど、カラブリア州が誇る豚肉加工品と、この地域ならではのンドゥイヤの試食。州中西部を代表する土着品種のブドウで造られた、家庭の味がいっぱいの赤ワインがぴったりですよ。(※サラミ作りをしていない日でも、燻製室と熟成庫見学・試食は可能です)

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澤井 英里

カラブリア州コセンツァ(Cosenza)市在住。司法事務所勤務の傍ら、こよなく愛する州の紹介や現地在住コーディネーターとして各種ご案内に対応。スキーが大好きな食いしん坊ソムリエ。 素朴ながらも豊かな郷土料理とそれを支える自然環境・人・四季に寄り添ったカラブリア州での生活に美しさを感じます。

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