最近話題のパルマ人好みの軽食屋

最近話題のパルマ人好みの軽食屋

昔、パルマの町の中心であるガルバルディ広場の裏に、Cantina Della Salute(カンティーナ・デラ・サルーテ)という小さな小さなパニーノ屋さんがあった。パテルリーニ氏が1946年に開店したお店で、地元ワインのランブルスコ片手に、パルマ人の大好きなコテキーノのパニーノを食べられるお店として、パルマ人で知らない人はいなかった。そのお店が1990年代に惜しまれつつ閉店し、そのまま時は過ぎていった。コテキーノとは、豚の皮にミンチにした肉を詰めたもので、イタリアでは年末から年明けにいただく縁起料理。パルマ人はこれが大好きで、一人で二、三切れはぺろっと食べてしまう。

再現されたパニーノ屋

再現されたパニーノ屋

昨年9月、長年自然な食、体によい伝統的な食をテーマに修行を積んでいたマリア・ディ・ヴェネレ(通称メリー)とその息子であるドナート・ウゴロッティは、28年ぶりに同じ場所に、コテキーノのパニーノを売りにしたパニーノ屋さんを再現した。お店の外壁に前店をリスペクトしたラベルがついている。ラベルには、「パテルリーニさんが約50年間で名声を作り上げたカンティーナ・デッラ・サルーテは、2018年にコテキーノのパニーノはそのまま、現在のメニューを加えて生まれ変わりました。今も昔も質重視」とある。
私がお邪魔した日、35年ぶりにこのお店のコテキーノのパニーノを食べにきたという人に出会った。

お店のウリはコテキーノのパニーノ

お店のウリはコテキーノのパニーノ

コテキーノのパニーノは、食事代わりにもなる大きなものと、少食の女性向けやおやつ代わりにもなる小さなものと、2種類の大きさのパンが準備されている。ありがたい心遣いだ。コテキーノと一緒に付け合わせとして入れてくれたオレンジと玉ねぎのモスタルダがピリッと効いておいしい。モスタルダとは、果物やフルーツの辛子砂糖煮で、コテキーノや、ボッリートと呼ばれる肉をボイルしたものの付け合わせとして食べられる。その他にナスのモスタルダ、タルタルソース、サルサロッサ(トマトの甘辛ソース)、サルサヴェルデ(緑色のソースで、野菜ベースのあっさりソース)、サワークラフトなど、一緒に挟む付け合わせは全てメリーさん手作りのものがカウンターに置いてあり、好きなものを選ぶことができる。

レストラン並みの手の込んだお料理も

レストラン並みの手の込んだお料理も

コテキーノのパニーノ屋さんが生まれ変わって、レストラン料理も出すようになった。メリーさんは以前レストランのシェフであったことから、この小さなお店でも日替わりのレストラン料理を作ってくれる。写真は、この日のメイン料理の豚の頬肉の煮込み。前日からオーブンで煮込んだとろとろのお肉だ。プリモは、鴨のラグーのパスタ、ヒヨコ豆のスープ、ポレンタがこの日のメニュー。体の暖まりそうな冬のメニューだ。
地消地産、地球に優しい材料を厳選し、真心込めて作ったイタリアのマンマの味をいただくことができる。古き良き時代の美食パルマを思いながら、町の散策後のランチやおやつにおすすめだ。街の中心にあるので、国立美術館見学やお買い物の後など、立ち寄りやすいのも嬉しい。

CANTINA DELLA SALUTE(カンティーナ・デラ・サルーテ)
住所 Via Mameli 4B, 43121(PR)
TEL351 838 9844
営業時間月〜木曜10:00〜15:00、金・土曜10:00〜19:00
休日日曜

西村 明美

初めて食べたプロシュット・ディ・パルマとパルミジャーノ・レッジャーノチーズに魅される。2003年には好きだったワインを勉強し、AISイタリアソムリエ協会のソムリエの資格を取る。その後、サルメリア研修をし、パルマの食を勉強。各種コーディネート、通訳、翻訳など活動中。

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