サンジミニャーノでバカンスを!アグリトゥリズモ・ワイナリー「モルモライア」

サンジミニャーノでバカンスを!アグリトゥリズモ・ワイナリー「モルモライア」

オーナーのパッソーニ家は、元修道院だった建物をアグリトゥリズモとしてリフォーム。塔の町サンジミニャーノを望む癒しのあるロケーションでプール付きの宿泊施設、ワインと郷土料理を楽しめるリゾートをつくりました。サンジミニャーノにて造られる白ワイン「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」や、赤ワイン「キャンティ」を生産するリゾートワイナリー「モルモライア」をご紹介します。

サンジミニャーノでワインを楽しみながらのバカンスを

サンジミニャーノでワインを楽しみながらのバカンスを

近年、観光客でいっそうにぎわいを見せている世界遺産の町、サンジミニャーノ。中世から現存する14の塔が特に有名ですが、この地域は重要な白ワインの産地でもあります。その名も「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」。詩人や貴族に愛されたワインであり、歴史的な文献にも登場する白ワインです。詳しくは、前回の記事「ポッジョ・アローロ サンジミニャーノのオーガニック農場・ワイナリー」をご覧ください。
町を外れると、緩やかな丘陵地にブドウ畑やオリーヴ畑が広がり、70以上のワイナリーがひしめきあっています。

オーガニックのリゾートワイナリー「モルモライア」

オーガニックのリゾートワイナリー「モルモライア」

サンジミニャーノの中心街から約6km北側、テルッツィやファルキーニといった生産者の更に北側のロケーション、「サンタ・アンドレア」という地区にモルモライアはあります。モルモライアは約100haの土地を所有し、そのうち約35haがブドウ畑、約10haがオリーヴ畑となっています。2013年からは、オーガニック農法を実践。醸造所のほか、アグリトゥリズモ(宿泊施設が26部屋)、リストランテ、プールが併設され、世界中からゲストが訪れます。
ブドウはキャンティなどの赤ワイン用の黒ブドウも多く植えてありますが、およそ40%が地元の白ワイン銘柄「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」用の白ブドウです。
ワイン法で定められているのは、ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノのワインは、ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ種を少なくとも85%使用していること、残りの10%は認可のある白ブドウであること。この条件にて混醸が認められています。

3回の収穫から造られる、彼らのヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノワイン

3回の収穫から造られる、彼らのヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノワイン

モルモライアが所有する畑の土壌は、主に砂質と一部粘土質ですが、砂質の土壌で白ワイン、粘土質の土壌では主に赤ワインの生産を行います。砂質はデリケートな造り、粘土質はよりタフな造りのワインに適していると言われています。
また、このエリアは長い歴史で堆積した貝がらなど、豊富な海由来のミネラルがワインに好影響を与えています。
ワイン造りの工程はと言うと……品質のよいワインを産出するこのエリアでは、多くのワイナリーが手摘みの収穫を行っていますが、このモルモライアでも、徹底した選定のもと手摘みの収穫が行われています。一方で、その収穫の仕方はユニーク。ここでは同じヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ種を、時期をずらして3回収穫します。3回の収穫時期というのは、その年ごとの気候によっても変わってきますが、およそのところで、1回目は8月下旬、2回目は9月10日〜15日、3回目は9月下旬となっています。
ブドウ内の酸と糖というのは、反比例で成長していきます。酸が徐々に減っていき、糖は逆にゆっくりと高くなっていきます。本来であればブドウをラボで分析し、酸と糖のバランス、色合い、その他成分が程よく整ったところで一気に収穫を行うことが通常です。ところがモルモライアでは、まず3回に収穫をわけ、それぞれを別タンクにて醸造し、味わい(酸と糖)バランスの異なるベースワインを3つ造りあげていきます。
1回目の収穫で造るワインは、当然酸が際立っているものです。その分ブドウがしっかりと熟しきっていないので糖はいささか低く、ボリュームやアルコールは低い性質となります。2回目に収穫したワインは1回目のものと比べ、酸はやや落ち着き、糖が上がってきた状態の性質。3回目に収穫したワインは、1回目のものとは逆に、糖が豊かで構成力はありますが、酸が低いため生き生きとした清涼感、アロマなどが低くなります。

世界に誇るワインに酔いしれて

世界に誇るワインに酔いしれて

モルモライアのヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノのベースワインでは、これらの3つのワインを最終的にアッセンブラージュ(ブレンド)し、その年ごとにより理想に近い酸と糖のバランスのよい100%ヴェルナッチャ種のワインを造りあげていきます。また収穫のあとの工程でもクオリティを上げるためのひと手間があります。収穫したブドウは、房の状態ですぐさま大きな冷蔵庫に入れられ、およそ2~3℃まで温度を下げられます。その翌朝、低温となったブドウの房を、房ごとゆっくりプレスして果汁を抽出していきます。 ワイン造りの工程では、専用の機械(除梗機)に収穫したブドウを入れ茎を取り除き、ブドウの実だけをプレスし果汁を得ることが一般的ですが、茎から実が外れる工程が一番綺麗なアロマや成分を失ってしまうとの考えから、モルモライアでは房ごとプレスするに至りました。 アルコール発酵後、一度だけワインを別のタンクへ移し替え、数ヶ月澱と一緒に漬け込み、仕上げていきます。みずみずしいアロマのあふれる、ミネラリーで芯のあるヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノのできあがりです! 世界に誇れるクオリティのワインをバカンスしながら味わえるなんて、最高の贅沢ですね!
アグリトゥリズモ・モルモライア(Agriturismo Mormoraia)
住所 Loc. S.Andrea,53037 San Gimignano(SI)
TEL0577 940 096
営業時間4/1〜10/31 ※ショップは9:00〜19:00
休日11/1〜3/31

鈴木 暢彦

トスカーナ州シエナ在住。2009年渡伊。シエナの国立ワイン文化機関『エノテカ・イタリアーナ』のワインバー・ワインショップにて5年間ソムリエとして勤務。2015年~2018年までシエナ中心街にてイタリア人と共同でワインショップを経営。現地ワイナリーツアーも企画し、一般からプロの方までのアテンドで100軒以上のワイナリーへ訪問。また、日本へのイタリアワイン輸出のサポート業務も行い、イタリアワインの日本マーケットの構築に貢献している。イタリアの著名醸造家ヴィットーリオ・フィオーレ氏、パオロ・カチョルニャ氏が手がけるワインも日本へ紹介。資格・・・AISソムリエプロフェッショニスタ。

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