パレルモの名物ストリートフード Vol.3 内臓バーガー「パーニ・カ・メウサ」

パレルモの名物ストリートフード Vol.3 内臓バーガー「パーニ・カ・メウサ」

「死ぬまでに食べたいストリートフードの町」世界第5位、欧州第1位のパレルモ(『Forbes』より)。まだまだ知られていないパレルモ名物のストリートフードたちを、現地パレルモからシリーズでお届け! 第3弾は、名物の内臓バーガー「パニーノ・コン・ラ・ミルツァ」。ご当地パレルモでは「パーニ・カ・メウサ」と呼ばれます。知られざる歴史と、おすすめ店をご紹介!

ご当地パレルモではパーニ・カ・メウサ!

ご当地パレルモではパーニ・カ・メウサ!

もはや知る人ぞ知る、パレルモ名物内臓バーガー。じっくり煮込んだ牛の脾臓(イタリア語で「ミルツァ(milza)」)と肺をスライスし、たっぷりのラードで炒めて仕上げた具をパレルモ伝統のゴマ付きパンに挟んだ、ジャンク度No.1のストリートフードです。

イタリア語では「パニーノ・コン・ラ・ミルツァ(Panino con la milza)」ですが、ご当地パレルモでは、シチリア語オリジナルで「パーニ・カ・メウサ(Pani câ meusa)」と呼ばれます。バリッバリのシチリア語パレルモ訛りで「パーニッカ・ミァゥザ」と、ねっとり発音するのが正解です(笑)。

1000年続く脅威のロングセラー?!

1000年続く脅威のロングセラー?!

『パレルモストリートフードの楽しみとミステリー』の著者であり、パレルモ人の美食家・歴史家・ジャーナリストとして知られるガエターノ・バジーレ氏(写真)によれば、「パーニ・カ・メウサ」のレシピは、約1000年前にパレルモ在のユダヤ人コミュニティから誕生したそう。

現在の旧市街ユダヤ人地区の屠殺場では、対価に金銭を受け取ることができなかったため、内臓部分を報酬として受け取っていました。また肉とその派生物(チーズなど)を同時に食べることを宗教的に禁止されていたユダヤ人は、それらをセットにしてキリスト教徒に販売することを思いつきます。

そんなユダヤ人のレシピは、貴族が食べる肉の良い部分(と肝臓)の残り、つまり内臓やくず肉しか入手することができなかったパレルモ庶民の間でもブームになり、19世紀中頃に店舗も出現。1000年続く(第二次世界大戦中を除く)「愛されレシピ」になったわけです。

せっかくなら地元客が通う店(屋台)へ!

せっかくなら地元客が通う店(屋台)へ!

今では庶民から貴族まで、社会階層を超えて親しまれるようになった「パーニ・カ・メウサ」。路上の屋台はもちろん、市長開催のパーティや結婚式などハレの場に登場することもあります。

それぞれのお気に入りの店があるもので、それはまるでラーメン屋のよう。特に人気が高いのが、「ニーノ・バッレリーノ」と「ロッキー」でしょう! ロッキーは「ヴッチリアの王様」の異名がつくほどの愛されっぷりです(私もロッキー派)。チーズは入れず、シンプル内臓オンリーがツウ。少々ディープな香りのする2軒ですが、リアルなパレルモグルメを体験するには、ぜひ訪れたいものです。

「パレルモ在住者と歩く!巨大市場と貴族でシチリア菓子ツアー」では、ご希望があればロッキーに立ち寄ります。ぜひ「パーニッカ・ミァゥザ」でオーダしてみてください!
ハードすぎる……という方には、「アンティカ・フォカッチェリア・サンフランチェスコ(Antica Focacceria San Francesco)」。1859年創業時から同地で営業を続ける老舗で、ローマ空港やミラノなどイタリア各地に支店も展開しています。地元客より観光客が多く、入りやすいのが特徴ですよ。

アンティカ・フォカッチェリア・サンフランチェスコ(Antica Focacceria San Francesco)
住所 Via Alessandro Paternostro, 58(PA)
営業時間11:00〜23:00
休日不定休

岩田デノーラ砂和子

慶應義塾大学卒業。(株)リクルート退社後2001年よりイタリア在住。ローマを経て、2010年からシチリア州都パレルモ在。女性誌・旅行誌のイタリア特集企画編集及びTV・WEB等日本メディアのコーディネートほか、イタリア関連書籍多数。イタリアのプロで作るチームLa Vacanza Italiana主催、国際ジャーナリスト協会会員・イタリア商工会議所認定通訳。

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