ヴァッレ・ディートリア(Valle d’Itria)を囲む町 (3)オストゥーニ(Ostuni)

ヴァッレ・ディートリア(Valle d’Itria)を囲む町 (3)オストゥーニ(Ostuni)

細長いプーリア州の中央部、バーリ、ターラント、ブリンディジと3県にまたがる田園地帯に位置するヴァッレ・ディートリア。オストゥーニは、その南東部にあります。最寄りのブリンディジ空港からアドリア海沿いの高速道路を北上すると、樹齢数百年のオリーヴの巨木が一面に広がる樹海に白い豪華客船のように浮かぶその姿が現れ、圧巻です。

チッタ・ビアンカ(Citta Bianca=白亜の町)・オストゥーニ

チッタ・ビアンカ(Citta Bianca=白亜の町)・オストゥーニ

ヴァッレ・ディートリアの町々の旧市街は、どこも石灰で白く塗られているという共通の特徴があり、初夏の石灰液で外壁を塗り直す作業は風物詩にもなっています。その中でもオストゥーニの白さは格別で、「白亜の町」という公式のニックネームを掲げているだけのことはあると、納得するでしょう。
いつ頃からなぜこのような習慣が始まったのかは定かでありませんが、アドリア海対岸のギリシャの近さを感じずにはいられません。中世に猛威をふるったペスト予防のためとか、太陽の反射で攻めてくる外敵の目をくらませるためなどという説もあります。唯一、温かみのある肌色の石の色を残している建物は教会で、効果的に浮き上がるような効果も醸し出しています。

オリーヴと生きる文化、樹齢数百年の巨大な盆栽

オリーヴと生きる文化、樹齢数百年の巨大な盆栽

旧市街の入り口から坂道を登り頂上にあるカテドラーレに辿り着いたら、その大胆な曲線を描いた輪郭と中央のどこか東洋的な印象を与えるバラ窓のファサードをよく観るために、角にあるバールの近くまでゆっくり後ずさりしてみてください。
そのバールの角の路地の先に広がる光景は、まさにプーリアとオリーヴの深い関わりを実感させるインパクトを持っています。オリーヴの樹海とアドリア海が空へと続く緑と青のグラデーション。プーリアでもこの地域特有の樹齢数百年を超える巨木のオリーヴたちは、常に剪定の手が加わることにより豊かな実りを与え、芸術品のように美しい姿に変化し続けています。一本一本の木をよく見ていくと、すべての木が右巻きにねじれているのに気がつくでしょう。なんとそれは、地球の自転の方向を目にしていることにほかならないのです!

なんでもそろうメルカートで、いろんなオリーヴを味わってみよう

なんでもそろうメルカートで、いろんなオリーヴを味わってみよう

オストゥーニのもう一つ特筆すべきは、毎週土曜日に開かれる朝市です。新市街地の、普段は大きな駐車場として使われている場所にテントがひしめくように立ち並び、食品、雑貨、衣料品、家具、古着、アウトレット品、手工芸品、植物の苗、農耕具など、なんでもそろうワクワクするようなバザールに変身します。
周辺の町と比べて一箇所に集中して店が並ぶので見やすいことと、掘り出し物が多いというのが個人的な意見です。もちろんプーリア産の食用オリーヴもあります。店の人に頼めば、味見もさせてくれます。数種類の中からお好みを選んでください。そのほかにも、オリーヴの枝を使ったカゴなどの伝統工芸品や剪定の時に使うはしご、トマトやイチジクなどを天日干しにするときに使う台などの昔ながらの道具を売る店など、プーリアならではの農民文化を感じさせる品物も見つかることでしょう。

大橋 美奈子

プーリア中央部に位置するヴァッレディートリアはのどかな白い田舎町に囲まれトゥルッリの点在するおとぎの国のような田園地域。都会育ちの根無し草だった私がこの地に魂を掴まれて気がつけば20年。プーリアと日本の架け橋となるべく(有)ダプーリア設立し、スローライフを実践中。プーリアの魅力を発見するお手伝いが出来ればこれほど嬉しい事はありません。

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